河合良彦

河政印房で出来合(既製)認印を買う3つの理由

本日は河政印房の既製認印についてのお話をしたいと思います。
河政印房では多くの印章店と同じく既製認印を販売しています。

上の写真のような形状の什器に入っています。認印タワーなどと呼びます。
似たようなモノは、はんこ屋、文具店、大型スーパー、100円ショップなど、色々なところで皆様も見かけていらっしゃると思います。
ちなみに当店の認印タワーには5,000本、日本の苗字の約80%が入っていると表示されています。
そしてこの認印タワーに入っている認印は下記写真にあるこのようなタイプのものが多いのではないでしょうか。

ラクト認印、既製認印、出来合い認印、三文判などと呼ばれています。
白色と黒色のものがあります。
牛乳と同じ成分のタンパク質からできたラクトという樹脂です。
以前書いたエントリにも詳しく書いていますね。

さて、今回は河政印房の既製認印についてのアピールポイントを説明しようと思います。
3点ありますので、順に説明してまいります。

まず一つ目、印材が木製である。

当店では、既製認印には アカネ と呼ばれる天然木の印材を使用しております。
東南アジア産の灌木で、薩摩本柘には劣りますが、上記で述べた既製認印によく使われるラクト印材よりも丈夫です。
プラスチック製よりも木製の印鑑の方が温かみもあり、また見た目にもイメージが良いのではないでしょうか。

次に二つ目、当店だけのオリジナル印影です。
当店・河政印房では既製認印はコンピュータ彫刻機で機械彫りをしています。
作成工程をご紹介します。
例えば、「山田」の認印を例に見ていきます。
まず、印章彫刻ソフトを立ち上げ、文字入力するとこのように出てきます。
まだまったくハンコ感がないですね。

次にフォントをゴシック体から古印体にします。

少し印象が変りました。
しかし、バランスが良くありません。
整えます。

だいぶんと印鑑らしくなってきました。
全体のバランスはこんな感じでいきましょう。
しかし、字の造形がまだフォントのままです。
そこで、辞書や印譜を参考にして、手直ししていきます。

これで、完成です。
フォント文字をベースとしていますが、バランス取りや手直しの過程で、他には無いオリジナル印影の元となる印稿となりました。
メーカーや問屋から仕入れるラクト印材の既製認印は流し込みや同じ型を同軸機で数十本同時に彫ったものであると聞きますが、当店・河政印房では、このように作成した印稿で一本一本彫刻機で彫っていきます。

最後に三つ目、ワクにひと手間、欠けにくい。

彫りあがった認印の印面です。
実はこの認印、わざと枠(わく)を太くしています。
そしてこの状態から一手間かけて枠を細くしていきます。

 

左の印影が彫りあがったままのワクの状態で、右がワクを細く加工した後の認印の印影です。
左の印影はボテッとした印象で、右の印影の方がシャープで引き締まった印象になっています。

じゃあ、最初からワクを細くして彫ればいいんじゃないか、とお思いの方もいらっしゃるかも知れません。
その通りなのですが、元からワクを細くしていると落としたり、硬いものにぶつけたりした時にどうしても欠けやすくなってしまうのです。
ですので、手間はかかるのですが、太いワクの状態で彫ることで欠けづらさを、その後加工することで引き締まった印象の印影を得られるようにしました。

まとめ

既製認印は印章店にとって販売価格も安く、どうしても手間も時間も掛けづらいものです。
しかし、お客さまにとって気軽に買える既製認印は1番身近なハンコと言えると思います。
当店・河政印房ではそんな既製認印を手間と時間と費用を掛けてお客さまに喜んでいただけるようにしております。
もし従来からの既製認印では、物足りなさを感じる方、すぐに欠けさせてしまう方は河政印房の既製認印をお試し下さい。

既製認印 500円

※お買い求めのお客さまには革袋又はプラスチック製ケースのどちらかをお付けしています。それぞれ黒色と赤色がございますので、お選び下さい。
※当店の認印タワーの在庫はラクト印材からアカネ印材に順次切り替えておりますが、在庫しているお客さまのお名前の認印がラクト印材であった場合、お時間頂ければアカネ印材でお彫りしますので、アカネでとお声かけ下さい。
※既製認印は実印や銀行印には適しませんので、ご注意下さい。実印や銀行印はお誂え印章からお選び下さい。

 

最後までお読み下さり、ありがとうございました。

河政印房 店主