映画『碁盤斬り』に協力させて頂きました
2024年5月17日より上映されている映画『碁盤斬り』。
主演:草彅剛 監督:白石和彌の江戸時代を舞台とした時代劇です。
題名にある通りに囲碁が物語に深く関わってくるのですが、実はこの映画に河政印房の河合良彦と河合祥子が協力させて頂いております。
というのは、草彅剛氏演じる主人公の柳田格之進は娘と2人で長屋に住まう浪人なのですが、なんとハンコを彫って生計を立てているのです。
という事で撮影するにあたって、人づてに映画制作の関係者の方から河政印房に連絡を頂戴し、『碁盤斬り』の印章についての部分を協力させて頂くことになりました。
具体的に言うと、草彅剛氏への篆刻指導と、劇中で柳田格之進が納品するために彫刻した石の印章の制作、篆刻に関わる道具などの手配です。
これらの事を私達2人だけで行うのは荷が重すぎますし、正確さに問題が出ても迷惑が掛かるので、多くの人に協力をお願いしました。
肝心の石の印章・篆刻作品の書体は設定では春秋戦国時代の大篆ということでしたので、私たちがお世話になっている京都・滋賀にいらっしゃる篆刻の先生にお話を聞き、教えを乞いました。
そして印稿をいくつか用意した上で、監督に選んで頂きましたものを実際に彫刻しました。
また篆刻関連の道具や書籍は京都の第一印房の中野さんにご協力頂きました。
江戸時代に使っていた印章彫刻の道具が載った資料などもお持ちで大変参考になりました。
またご用意して頂いた道具もはんこ屋にとっては文化財と言っても良いようなものばかりで、時代劇である『碁盤斬り』のリアリティを高めるのに重要な役割を担っていたと思います。
映像ではあまり映らなかったのですが、実は細かな所にも凝った作りこみが為されています。
また草彅剛氏はとても器用というか、勘が良いというか、彫り方をお伝えし見本をお見せしたらすぐに上手に彫っていらっしゃいました。
ゴリゴリゴリという音をさせながら、篆刻台をくるりと回し、慣れた手つきで本当に篆刻家のようでした。
草彅剛さんの手元の吹き替えで篆刻をしている様子を撮影する準備もしていたのですが、まったく必要がありませんでした。
陽の目を見ることの無かった河合良彦の着物姿です。手元だけとは言え、草彅剛さんの吹き替えをするには恰幅が良すぎますね。
youtubeで『碁盤斬り』本編冒頭映像が公式から公開されており、草彅剛さんの篆刻の腕前がご覧になれます。
公式本編冒頭映像
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
河政印房 店主 河合良彦
2024.06.07